東邦大学では2016年度入試から従来の小論文が廃止され、新たに「基礎学力試験」という科目が課されます。従来の小論文試験では、本文の要約問題に加えて、データの読み取り問題、接続詞の空所問題、段落整序問題、論旨把握問題などが出題され、すべて客観的な理解を求める現代文の問題でした。来年度から新しく導入される「基礎学力試験」の中身は、論理的思考能力と数理的解析能力となっています。その対策としては、就職活動のSPI試験や法科大学院の適性試験などの問題を利用するのが有効です。
SIP試験では、言語能力と非言語能力が問われます。言語能力問題では、同意語・反意語関係、語句の意味・用法、文の並び換え、空欄補充、長文読解などが出題されます。非言語能力問題では、推論、場合の数、確率、集合、損益算、速度算、表・資料の読み取りなどが出題されます。法科大学院の適性試験では、推論によって正しい結論を導く論理的判断力を測る問題、条件から結論を導く分析的判断力を測る問題、文章の論理構造や論旨を把握する長文読解力を測る問題、自己の主張を組み立てて説得的に提示する表現力を測る問題が出題されます。
通常の作文や小論文では、正しい日本語で常識的なことを書き連ねれば、ある程度の解答を作り上げることはできます。一方で、基礎学力試験はマーク式なので、○か×かで判定され点数化されます。極端に点数が悪いと、最終合格に影響を与えかねません。ですから、英語や数学が苦手な人はSPI試験や法科大学院の適性試験の問題や類題を利用して慣れておくことをお勧めします。